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brainvalue / 01 — 詳細と構造図

7ステップの中身

note記事で書いた7つのステップと4つの係数について、各段の「やりがちな失敗」「見分け方」を展開したもの。全体の構造図もここに置く。

FIG全体像

縦の7つが地図を描き直すまでの流れ。7まで行ったら1に戻る。右の4つは7つ全部の出来を上下させるもの。「人に伝える」は必須じゃなくて、他人が絡むときだけ通る。

7つのステップ(前から順に) 7つ全部に効く4つ 1本当の問題はどれ? 2それ、事実? 解釈? 3要するにどういう仕組み? 4他に手はない? 5それやったらどうなる? 6じゃあ、どれ? 7で、実際どうだった? ズレた分だけ地図を描き直す 他人が絡むときだけ通る 人に伝えて、動いてもらう 自分を外から見る 頭の作業机の広さ 人に頼れるか 速さ
7つは上から順に進んで、7から1に戻る。右の4つはステップの一つじゃなくて、7つ全部の出来を上下させるもの。縦は弱いところで決まり、横は強いところで補える。

01各ステップの詳細

note記事では骨格だけ書いた。ここでは各段の「やりがちな失敗」「見分け方」を展開する。できることより、失敗の形のほうが輪郭がはっきりする。

01本当の問題はどれ?
やること
言われたことを、そのまま受けない。目的と手段を分ける。「どの論点が重い?」を並べる。そもそも自分が手を出すべきかも見る。
やりがちな失敗
目的と手段の取り違え。言われたことにきれいに答えて、間違ったものを精密に仕上げる。
見分け方
頼まれごとをそのまま受けたか、一回問いを書き直したか。
02それ、事実? それとも解釈?
やること
事実・解釈・推測・わからない、を混ぜずに置く。前提を口に出す。想像で埋めたところには「埋めた」と印をつけておく。
やりがちな失敗
結論を先に決めて、理由を後から付ける。知らないことを知ってるように話す。自分に都合のいい情報だけ拾う。
見分け方
「それ事実? 解釈?」と聞いたとき、その場で分け直せるか。
03で、要するにどういう仕組み?
やること
具体と抽象を行ったり来たりして、何が何を起こしてるかを取り出す。ただ一緒に起きてるだけなのか、片方がもう片方を起こしてるのかを分ける。
やりがちな失敗
たまたま一緒に起きてるだけのものを、原因だと思う。抽象論しか話せない、または具体例しか扱えない。
見分け方
一つの例から取り出したルールを、別の例に当てて「ここは当てはまらない」と自分から言えるか。
04他に手はないの?
やること
やり方・仮説・反例を、数で出す。別の分野のやり方を借りてくる。原因を探すときは、原因の候補を複数並べる。
やりがちな失敗
最初に浮かんだ案しか検討しない。つじつまの合う話を1つ作って満足する。逆に、良し悪しを考えずに変な案を大量に出すのも失敗。
見分け方
3案目が出てくるか。しかも3案目が1案目と違う方向を向いてるか。
05それやったら、どうなる?
やること
その次に何が起きるか、さらにその次まで追う。関係する人を全部挙げて、それぞれが何を知ってて・何を望んでて・何を怖がってるかから、反応を読む。
どこまで読むか
3手先まで読む人と、3年先まで読む人がいる。これは同じ話の長さ違い。どこまで読めるかと、そこに到達する速さは別。
やりがちな失敗
自分の視点だけで未来を描く。反対意見をわざと弱い形にして叩く。
見分け方
反対する人の主張を、その人より強く組み立てられるか。
06じゃあ、どれにする?
やること
うまくいく確率・かかるもの・返ってくるもの・リスク・時間・副作用で比べる。白か黒かじゃなく「どのくらいありそうか」で置く。やり直せる決定と、やり直せない決定で、かける時間を変える。
やりがちな失敗
材料が揃うまで永遠に待つ。やり直せる決定に時間をかけて、やり直せない決定を即決する。
見分け方
「これやり直せる?」に即答できるか。その答えが、決める速さに出てるか。
07で、実際どうだった?
やること
結果だけ見て終わらせず、やり方と仕組みのどこがズレてたかを切り分ける。新しい情報が来たら意見を更新する。
ここが本命
反論されても、攻撃じゃなく材料として受け取れるのもここ。「意見を変えたら得をした」経験が積み上がってる人は、反対されるのが楽しくなる。
変えなさすぎ
突っ込んだ分を理由に降りられない。前に言ったことに固執する。議論で勝つことを、正しさに近づくことより優先する。
変えすぎ
強く言われるたびに意見が変わる。証拠じゃなくて、声の大きさで変わってる状態。これは修正に見えて、もともと自分の地図を持ってないだけ。
見分け方
「どのくらいの証拠が来たら、自分は意見を変える?」を先に言えるか。
分かれ道人に伝えて、動いてもらう
なぜ別枠?
一人で完結する話なら、ここを通らずに一周できる。7つの中に入れると、伝えるのは下手だけどすごい人を説明できなくなる。
例えのコツ
刺さる例えを出すには、相手がすでに知ってるものの中から選ぶ必要がある。しかも距離が効く。近すぎる例えは何も足さないし、遠すぎると通じない。中身は同じで、見た目は遠いがちょうどいい。
やりがちな失敗
全部話す。自分の言葉のまま話す。ここだけ強いと、間違った説明をより強く通してしまう。
見分け方
相手が言い直した内容が、こっちの意図と合ってるか。

02逆向きに走らせると、原因探しになる

7つは「これから何をするか」の向きで書いてあるけど、逆向きに走らせると原因分析になる。使うステップは同じで、向きが違うだけ。

ステップこれから(予測)なんでこうなった(原因)
4 他に手はない?やり方を複数出す原因の候補を複数出す
5 どうなる?やったら何が起きる?その原因が本当なら、他に何が見えるはず?
6 どれ?どのやり方でいく?どの説明を採る? 落ちる説明はなぜ落ちる?
7 どうだった?結果を見て地図を直す説明と合わない事実を見つけて、説明を捨てる

「原因分析が上手い」は、そのままだと頭のよさの証拠にならない。

つじつまの合う話を作る力って、実はかなり安い。人間の脳は「なんでも理由をつけたがる」ので、どんな結果にも後から筋の通った話を作れてしまう。しかも説明が上手い人のところでこそ、間違った説明が通ってしまう。

だから2つに割る必要がある。話を作れるのは安い。その話が他の説明より本当らしいと示せるのが希少。示せてる印は3つ。①原因の候補が複数出てる ②「その説明が正しいなら、他にこれも起きてるはず」が言える ③反例がどこにありそうかを自分から挙げられる。

037つ全部に効く4つ — 詳細

自分を外から見る(メタ認知)

自分の考えを、他人が言ったことみたいに眺められるか。「いまの俺、都合よく考えてない?」「これに固執してるのは、正しいから? それとも引っ込みがつかないから?」が自分に向けられる状態。あと「もうこれ以上考えても精度上がらないな」と気づいて切り上げる判断もここ。

頭の作業机の広さ(作業記憶)

同時に何個のことを頭に置いておけるか。机が狭いと、1つ出すたびに1つしまうことになる。だから複雑な話ほど途中で何かが落ちる。これがステップ3〜5の天井を決める。

人に頼れるか

自分の頭の外にあるものを使う力。これは弱いステップを、まるごと他人に代わってもらえる唯一の項目なので、他と性質が違う。中身は6つ。

誰が何を知ってるか頭の中に人の索引がある。誰に聞けば5分で済むかを知ってる。
実際に聞ける相手索引があっても、聞ける関係がないと使えない。能力というより貯金に近い。
自分でやるか渡すか自分でやったほうが速い場合と、自分でやったほうが身につく場合を見分ける。
渡し方何をどこまで渡すか。頼み方が雑だと、優秀な相手でも外す。
答えを確かめる鵜呑みにしない。相手やAIの間違いに気づける程度には、自分でも分かってる。
道具のクセを知るAIや検索が何を得意で何を外すか。しかも毎月変わるので、追い続ける必要がある。

6つ揃って初めて効く。上の2つだけ強いと「顔は広いけど答えが雑」、5番目だけ強いと「批判はできるけど自分では動かない」になる。

速さ

同じ一周を、どれだけ短い時間で、どれだけ少ない試行で回せるか。ただしこの4つは補い合うので、遅くても他が強ければ総合は高い。「遅いけど頭いい」は、この作りだと普通に成立する。

04まだ決めてないこと

「ちょうどよく意見を変える」の線はどこ?
変えなさすぎも変えすぎも失敗だと書いたけど、その間のどこが適切なのかは決めてない。証拠の強さに比例して変えるのが原則だとしても、証拠の強さ自体をどう測るのかが残る。
4つの重さは、場面で変わるんじゃない?
速さは仕事だと重いけど、生活だと軽い。だとすると頭のよさは1つの数字じゃなくて、場面ごとに重みが違うセットってことになる。
「人に伝える」は、人によっては必須なんじゃない?
別枠にしたけど、他人が絡む仕事しかしない人には実質必須。暫定の答え:その人の生活が他者を含むかで決まる。
見分け方、ほんとに測れてる?
それぞれに見分け方を1つずつ付けたけど、どれも1回見ただけだと誤判定する。体調でも変わるし。ちゃんと判定するなら、同じ人を複数の分野で、複数回見る必要がある。